White Wolf's Forest

ウルフマン 森の生活

とある小説家が山小屋で料理をしながらスローライフを目指す

田舎への移住

 

 多くの不安とストレスと戦わなけれなならないこのご時世。

やはり、人間が本能的に癒しを求めるのは自然の中なのかもしれない。

 

私は長年、人間に干渉されない自然豊かな森での生活を求めて、移住先を探してきた。

『一匹狼』という意味でこのアイコンを使っているわけではないが、

私は都会のように人間が混み合って暮らす場所が合わないようなのだ。

多くの文豪が人の中での生活に疲れた際に『森』での選んだように、

気がつけば私も自然とそのような生活を求めていった。

 

時間さえあれば様々な場所に足を運んだ。

晴れの日も、雨の日も、曇天の日も。

しかし、残念なことに何処も私が求めているような場所ではなかった。

 

落胆していたある日、目に留まった一件の売却物件。

それは過去、私が長らく携わっていた事柄にゆかりのある地にあった。

なぜか心が引かれたその地へ、私は再び足を運んだ。

 

湧水が流れ心地よい緑の風が吹く庭

五千坪という広大な山と森

そして、森の中にひっそりと佇む隠れ家のような家。

 

一目で私はその土地の虜になった。

 

コロナ移住、コロナ疎開……

そんな言葉が流行する混沌の中で、

私はようやく移住先を見つけたのだ。

 

前オーナーとの長い交渉の末、

やっとの思いで契約書にサインをいただいた冬。

冬の最も寒い日にこの美しい森は狼の安息の地となった。

 

しかし、安堵したのも束の間。

母屋・離れを含め、人間が住まなくなった家というものは傷みが早いもの。

それなりの覚悟はしていたが、次から次へと破損、故障……。

持ち主を失った森は生い茂り、大木が倒木している場所も多くある。

住むにはかなりの修繕や手入れが必要な状態だ。

側から見れば荒れ果てた場所であろう。

しかし、この土地は私にとって魅力に溢れている。

 

しばらくの間は二拠点生活となりそうだが、

自分の新たな住処を自分の手で直していくということもまた一つの娯楽になるだろう。

 

「森があなたを選んだのでしょう」

前オーナーが私に言った言葉。

 

そう森に思ってもらえるように、

自然と調和して生きていきたい。

 

 

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*The photo is for illustrative purposes.