里親になった日
今日はやたらと電話が鳴る日で
電話が鳴る度、
動物愛護シェルターからの里親落選の話ではないかとハラハラした。
今日の夕刻、
シェルターから電話があった。
こんなに緊張したのはいつぶりだろうか。
「深夜さんに里親が決まりましたよ」
柄にもなく泣きそうになった。
長かった。
本当に長かった。
「他の方に譲渡が決まりました」と言われるたびに
心が折れそうになった。
規約と制約縛りの上に
タッチの差で里親が決まる倍率の高い競のような仔犬争奪戦。
昔とは大きく異なった『保護犬の里親』というシステムに
戸惑うことも多かった。
それでも里親希望を出し続けて良かったと
今日改めて感じる。
里親になれなかった4回は
この仔と巡り会うための4回だったのだ。
今日、私は彼の『里親』になった。
来週の終わり頃、
動物愛護センターから動物愛護シェルターが仔犬の“引き出し”を行い、
(収容所から動物を連れてくることをそう呼ぶそうだ)
シェルターの職員が彼を我が家へと運んでくる。
すぐに会えないのには理由がある。
仔犬ということで幼すぎるために
シェルターでワクチン接種が行えないためである。
我が家へと運ばれてくる日が
初めて私と彼が対面する日。
改めて思うと写真だけで決めるなんぞ
まるでお見合いのようだな。
センターの人によると
彼は野犬の仔にもかかわらず人を怖がる様子もなく
とても良い仔だという。
彼に会えるのが楽しみだ。