White Wolf's Forest

ウルフマン 森の生活

とある小説家が山小屋で料理をしながらスローライフを目指す

時間旅行

 

先日購入したDVD。

 


 

悩んだ末に一番気になっていた

博士と彼女のセオリー

(原題:The Theory of Everything)から鑑賞。

 

 

 

 

この映画は実在する人物のノンフィクション映画。

 

理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士と

元妻のジェーン・ホーキングの人生を描いた物語。

 

筋萎縮性側索硬化症(ALS)が進行していき

動かなくなる身体とは裏腹に

時間に関する理論を次々と打ち出していくスティーヴン。

 

「愛があればなんでも乗り越えられる」と

信心深いジェーンは

余命2年と告げられたスティーヴンと

最後の時を一緒に過ごすことを決意する。

 

生にしがみつき、奇跡を起こす力と共に

愛だけでは乗り越えられない問題や

愛情の多様さ、複雑さといった

難しさがとても見事に描かれている。

 

おそらく彼が一番時間を戻したかっただろう。

 

単に興味本位で研究している部分もあっただろうが、

ALSを発症する前に戻りたいという

淡い期待も持っていたのではないだろうか。

 

 

 

この映画の素晴らしいところは

なんと言ってもスティーヴン・ホーキング博士を演じる

エディ・レッドメインの演技力。

 

まるで本当にALSを患ったかのように

顔の細部の筋肉に至るまで見事に演技されている。

 

ジェーン役の

フェリシティ・ローズ・ハドリー・ジョーンズも負けてはいない。

 

難しい物理学の理論をスラスラと説明する場面は

ティーヴンを背負い半身となって生きている

ジェーンの心身の負担と強さを観客に印象付けている。

 

また最も印象深いのは

ふたりがお互いの道を歩もうと

お互いを自由にした涙の場面。

 

お互いに過去を思い出し涙を流すのだが、

ジェーンは彼の涙ではなく

口から垂れる涎(よだれ)を優しくサッと拭う。

 

とても日常的に

体に染み込んだ癖のように

手を伸ばしサッと見事に拭うのだ。

 

それがとても生々しく

その一瞬の演技が

楽しく華やかなことだけではない人生を物語っている。

 

 

 

偉大な功績を残すものは

どこかでその代償を払わなければならないのだろうか。

 

そんなことを考えさせられた映画だった。

 

 

 

私はイギリス英語、アメリカ英語

どちらも話せるのだが、

どちらかと言うとイギリス英語の方が馴染みがある。

 

この映画はイギリスで制作されていて、

俳優・女優も皆イギリス英語を話しているため

細かなニュアンスまで楽しめた。

 

それにしても日本語吹き替えと

原作の英語の演技が随分と違う。

 

早口や微妙な間、

進行するにつれ発音しにくくなっていく音声など

日本語ではなかなか表現できない部分も多い。

ぜひ鑑賞する場合は英語音声、日本語字幕で鑑賞して欲しい。

 

 

 

 

 

いただいた手作りのアップルパイ。

外はサクサク、中はしっとり。

 

甘いものは脳に染みる。

美味。