White Wolf's Forest

ウルフマン 森の生活

とある小説家が山小屋で料理をしながらスローライフを目指す

古典文学を目で楽しむ

 

前回の映画の話しから。

 

shinya-leyzi.hatenablog.com

 

 

スリーピー・ホロウ』(原題:Sleepy Hollow)を鑑賞した。

 

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何が最も印象的だったかというと

首切りのシーン。

 

かなりの数人間の首が落ちる。

 

まぁ、古典文学を元にしているとはいえ

ゴシック・ホラーだからな。

あまりリアルでなかったため何とかなったが

そうでなければ即終了ものだっただろう。

 

私はグロテスクなもの、

ホラーのみのものはまり好まない。

 

さて、内容だが

アメリカ映画にしては凝られていた方だと思う。

 

魔女狩り』のイメージをうまく匂わせ読者を誘導し、

犯人発見となり終わるのかと思いきや

どんでん返しからのオチ。

イギリス文学的なこの進み方は

アメリカ文学としては珍しい流れだった。

 

アメリカで知られる映画には

日本と違いオチがないものが多い。

正直アメリカ文学に精通していても

何を伝えたかったのかと

首を傾げて終わるものもよくある話しだ。

その点、この映画は評価できるであろう。

 

まぁ、最後の犯人との対峙の際は

なぜ犯人の逃げた方向へ一緒に逃げなかったのかなど疑問が残るが、

概ね良い内容だった。

 

この映画は

アメリカの小説家 Washington Irving(ワシントン・アーヴィング, 1783年-1859年)が

1820年に発表した短篇集

『スケッチ・ブック』(原題:The Sketch Book of Geoffrey Crayon, Gent.)の中の一篇

スリーピー・ホロウの伝説” (原題:The Legend of Sleepy Hollow)

モデルになっている。

 

同本に収録されている

リップ・ヴァン・ウィンクル” (原題:Rip Van Winkle) は

読んだことがあったのだが、

この物語は読んだことがなかった。

 

ちなみに“リップ・ヴァン・ウィンクル”は

アメリカ版の浦島太郎といったところだろうか。

心理学的視点からみれば、

アメリカ独立戦争からの心理学的回避としての

解離・遁走とも考えられる内容のもの。

 

 

19世紀のアメリカ文学は孤児や児童虐待など、暗い内容が多い。

また事件の捜査に科学的な手段を用いることも

この当時はまだまだ主流ではなかった。

疑われた人間が拷問によって

無理やり犯人にされることも少なくない、そんな世の中だったのだ。

 

「科学・化学を用いて事件を解決する」

スリーピー・ホロウ』の主人公イカボッド・クレーンの姿が

“異端”として描かれていることから

当時は科学というものが信じるに値しないもであり

人々の目に奇妙に写っていたのだろう。

 

この物語が書かれた当時

現代のような生活環境、

そして科学の発達した世界を誰が想像できたであろうか。

 

髪の毛や血痕、

指紋で犯人が解るようになるなんぞ

誰も想像もしなったであろう。

 

スリーピー・ホロウ』は

そう言ったその時代特有の皮肉を含んだ作品でもあるのだ。

 

 

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ベーコン・小松菜・コーンの豆乳クリームパスタ。

乳製品不使用だが、コクのある味わい。

 

 

 

 

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