White Wolf's Forest

ウルフマン 森の生活

とある小説家が山小屋で料理をしながらスローライフを目指す

罠にかかった狼

 

最近Amazon

プライム会員(有料会員)への勧誘が凄まじい。

それは常々思っていたことだ。

 

今まで気をつけてきたのだが、

とうとう今月

手違いで翌日配送を選択したことで

強制入会させられてしまった。

 

といわけで、

今月だけ強制的に

Amazonのプライム会員になったわけだが。

 

 

後悔しても仕方がないと

最早開き直り、

以前に観たいと持ったが

Amazon prime video(アマゾンプライムビデオ)でしか

観れなかったため断念した

『Good Omens』を観ることにした。

 

 

 

あらすじ

現代のイギリスを舞台とする。天使と悪魔たちはともにハルマゲドンの準備を進めているが、6000年前の世界創造以来地上の生活に馴染み、人間の文化を愛している天使のアジラフェルと悪魔のクロウリーは、世界の破壊を避けようと結託する。悪魔たちは、イギリス在住のアメリカ外交官ダウリング家に生まれた息子を、反キリストの子とすり替えようとするが、誤ってヤング家の息子アダムとすり替えてしまう。

11年後、アダムは成長し、ヨハネの黙示録の四騎士が集まり、天使と悪魔の軍団はともにハルマゲドンの実現を図る。アジラフェル、クロウリー、かつての魔女と魔女狩り軍の子孫は破滅を避けようとする。アダムはハルマゲドンを拒否し、父サタンの怒りにも従わず、世界の平和は守られる。アジラフェルとクロウリーは友情を継続する。――Wikipedia

 

『グッド・オーメンズ』(原題:Good Omens)は

喜劇小説だ。

ニール・ゲイマン(Neil Gaiman)と

テリー・プラチェット(Terry Pratchett)共著の

同名小説に基づくテレビドラマシリーズだ。

 

世界の終末における最終的な決戦の地『ハルマゲドン』。

魔王になれる力を持った

特別な子供が太古に予言されたように産まれ、

その子の成長によって世界が左右されると言ったときに

ある悪魔と天使が奮闘するという話。

 

ドラマと言っても

各話が60分近くあるので

かなり見応えがある。

 

『天使は良いことしかできない

悪魔は悪いことしかできない』

それを前提として

いかにお互いのメリットになるように動くかということを

天使と悪魔が仲良く考えている場面は

なかなかに滑稽だ。

 

神の使い、悪魔の使いというからには

完璧なのかと思いきや

大いに間が抜けたところもあり

そこがなんともいえないキャラクターを作り出している。

 

 

クロウリー(悪魔)の瞳が蛇のために

常にサングラスをかけているのだが、

そのデザインがなかなかに良い。

 

 

アジラフェルの古風な服装や

穏やかな雰囲気が

より一層二人を対照的にさせる。

 

服装以外にも

背筋を伸ばして凛とした姿勢、

堕落した怠惰な姿勢、

古めかしい律儀な言葉、

流行りに乗った流行言葉、

古書に黒電話、

インターネットにスマートフォン

 

真反対の二人が

なぜここまで仲が良いのか。

 

 

『天使も悪魔も関係ない、俺たちは俺たちだ』

 

この言葉を敵である天使アジラフェルに

真剣に訴える悪魔クロウリーの姿に

少々感動した。

 

彼らは長い間人間界にいたことで

人間に感化されているのか、

それとも本当は

完璧な悪魔(悪党)も

完璧な天使(善良者)もいないのか。

 

天使と悪魔が仲良くすることは罪なのか、

天使が悪いことを、悪魔が良いことをすることは罪なのか、

人間という存在を愛することは罪なのか、

死や消滅に怯えることは罪なのか、

音楽や本などの娯楽に没頭することは罪なのか、

自分の過ちを人に拭わせるのは罪なのか、

多くの人を救うために一人を殺めることは罪なのか、

一人のために多くの人を見殺しにすることは罪なのか、

人間の戦争は罪で天界の戦争は罪ではないのか。

 

『罪』とは一体何なのか。

 

そんなことを無言で訴えかけてくる

考えさせられる内容だった。

 

そもそも、

天使と悪魔でさえ話もできない姿も見ることのできない神とは

一体なんなのだろうか。

 

神は自分達に何を望まれていて

どこまでが“神の計画”なのか。

そもそも“言葉にできない神の計画”とは

言葉にできないはずなのに

なぜ我々はその計画について

言葉で言及しているのか。

 

 

 

私は過去に聖書を読破したことがある。

過去の偉大なる作家は

多かれ少なかれ

聖書の影響を受けているため

通読しておくと

物語をより深く味わえるからだ。

 

執筆に行き詰まると

今でも時々読むことがある。

 

キリスト教の信者には申し訳ないが

あれは普通に物語として読んでも面白い。

 

聖書は神のお告げを受た人間によって、

書かれたものとされており、

内容は人間が考えたものではなく

あくまでも神が考えたものだとされている。

 

しかし、私が思うに

それではなぜ少し前の章で言ったことを

易々と次の章で変更するのか。

情緒の面だけで見ても

作者は複数人である可能性が濃厚だ。

聖書は時代によって人の手を渡り

過失修正されてきたのだろう。

そういった視点から読むだけでもかなり面白い。

 

この映画も

聖書を通読している者向けの皮肉が多いため

はできれば

旧約聖書新約聖書を読破してから

観た方がより楽しめるかもしれない。

 

 

聖書を読んで喉につっかえた疑問を

風変わりな天使と悪魔が

喜劇的に、またとても人間らしく解決してくれる。

そんな映画だった。

 

 

 

さて、こうしてAmazonの罠にまんまかかったわけだが

現在セカンドシーズンも製作中だとのことだ。

 

Amazonのプライム会員は

今月で解約する予定なのだが、

セカンドシーズンが始まったら

またAmazonの罠に掛かる気がしてならない。

 

 

久々に続編が待ち遠しい一本だった。

 

 

 

アスパラと豚肉と玉ねぎの炒め。

美味。